SM小説 鞭化粧

泣きむせぶ女たちの夢つづり。本格SM小説集。

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ギボン家を継ぐ女(十二話) 

十二話 日々の欠落


「怖いと思うわよ。男爵家の養子であって、国中から才能ある
若者の集まる学校へいきなりですからね。私があれほど嫌う上
流世界への登竜門に押しやってしまったのですから」

グラントのいない屋敷は、主語の消えた愛のようなものだった。
グラントは、まず先にアーサー准将の養子となって、海軍士官
学校へ、その准将の口利きで入れられていたのである。
この頃の英国海軍士官はまさにエリートの集まりであり、爵位を
持つ家柄の子息も多くいた。その中にいきなり18歳の平民の
子が放り込まれたわけである。試練とはいえ、グラントには地獄
の日々だと想像できた。上の世界のいやらしさ・・・妬み、ひが
み、目下への侮蔑と、どろどろしたもののすべては、常日頃イラ
イザを悩ませるものだっだ。

アリシアは寂しい。男性との関わりを知ったばかりで引き裂かれ
てしまった。母親の前で笑っていても独りになると表情は冷え
ていた。この家の当主としてギボン家を支えてゆくための試練
である。しかしアリシアは悔やんでいた。引き留めておけばよか
った。名もない男のままでもよかったのにと・・・。

海軍の馬車が寄り、アーサーが訪ねてきた。グラントがいなくな
って三月ほどした頃だった。アーサーは円卓の席に着くなり、
まずグラントの近況を話し出す。そのために多忙の合間をぬっ
て訪ねてきたのだ。テーブルにはイライザとアリシアが揃ってい
た。
「教官が言っておったよ、じつにユニークな発想をすると。知
識は決定的に足りないが、その資質はピカイチだとね。本人も
死に物狂いでやっている。騎士ギボンの足許に早く自分も達し
たいと意欲を見せておるそうだ」
母子は顔を見合わせて少し笑った。
「で・・・そうそう、海賊警備隊だがね」
「ええ? その後どうなっておりますの?」
アーサーは眉を上げて微笑んだ。
 
「どうもこうも、グラントのおかげだよ、海峡が嘘のように静かに
なった。海賊どもが消えたわけではないが、よその海へでも行
ったのだろう。商売敵程度に思って近づくと、我が軍が誇る近
代兵器の攻撃を受けるのだ。木造船などひとたまりもないから
ね。しかもだよ」
「何ですの?」
「素性の知れない輩であるにもかかわらず、引き入れてみると
じつによく働いてくれるのだよ。グラントも言っておったが、これ
からは平民の時代となるのやもしれないな。家柄や面子やと、
くだらないことにはかまっておれない。本当にそう思う。で私も、
その海賊警備隊の登用を認められて少将に昇格したさ」
「まあ、それはおめでとうございます」
「いやいや・・・やらされておるというのが実状でな・・・ま、それも
グラントの手柄だよ。さて最後に、そのグラントだが・・・」
「はい? 何か?」
「そろそろ三月となるが・・・じつは・・・ふふふ」
アーサーはにやりと笑ってアリシアに横目をなげた。
「何ですの、おじさま? 何だか意地悪な感じがしますが」
「うむ? はっはっはっ! じつは学校の事情がちょっとあって
な、学部の移転なのだが、来月にはここから馬車で2時間ほど
の海辺の街に移るのだ。そうなれば月に一度は戻れるだろう。
実戦部門と作戦部門を分けようということになってな。作戦部
門を私のいる海軍司令部の側に置き、模擬で学ぶのではなく、
学生のうちから実際の作戦に触れさせようということだ」

来月・・・三週間ほど先のことだった。アリシアに笑顔が咲いた。

その日は生憎の雨だった。夜半から降りはじめ、朝になってま
すます雨足が強くなる。アーサーが訪ねてきた一月以上後だ
った。
昼下がりの時刻となり、前庭に馬のいななく声がする。イライザ
もアリシアも、それぞれが自室にいて窓辺に駆け寄った。海軍
の四頭だての馬車である。
士官学校の白い軍服を着て帽子をかぶる、キリリとした青年が
降り立った。
イライザもアリシアも、玄関口へと駆け寄った。

「ただいま戻りました、お母様、お嬢様・・・」
「グラント・・・あなた立派になられて・・・お帰りなさい、お疲れさ
ま・・・」
「・・・別人みたい・・・素敵よグラント・・・」
三者それぞれ涙を浮かべて見つめ合う。イライザにすれば息
子が戻ったようなもの。嬉しくてたまらない。
両手を引かれてグラントは屋敷の中へと引き込まれた。今夜と
そして明日の晩、二晩過ごせるとグラントは言う。
イライザが言った。
「今夜は腕をふるってご馳走ですけど、あなた、お皿はいるか
しら?
「いいえ奥様」
「わかったわ・・・ふふふ・・・」
「くくくっ・・・」
どれほどのストレスを抱えているのだろうと2人は思い、それを
すべて消し去って送り出してやりたかった。

食前酒のワインを含み、円卓の下の全裸の奴隷に口づけをし
て含ませるイライザ。
酒の飲めないアリシアはジュースを含み、口づけで与えてやる。
嬉しくて嬉しくて、グラントはぽろぽろ涙をこぼしていた。
しばらく見ない間に、すでにもう勃起するモノが生え揃った陰
毛の中から勃っていた。
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