SM小説 鞭化粧

泣きむせぶ女たちの夢つづり。本格SM小説集。

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ギボン家を継ぐ女(四話) 

四話 四つの眸


しかし、ボーイにとってのそれからの日々は平穏だった。広い
屋敷のこと、部屋などはいくつもあり、兵士の宿舎ともそれは違
って、食事ではアリシアと共に円卓を囲み、そいてもちろんイラ
イザの奴隷となる躾が待っていたわけでもない。
イライザは、ボーイの深く澄んだ想いを知って、なおのことアリ
シアに・・・と考えていたのかも知れなかった。
そしてその日・・・イライザはまた社交界へと出かけて行って、夜
の屋敷にボーイはアリシアと2人、取り残されていたのだった。
欠け月の青白い光が、小さな噴水のある中庭を照らしていた。
ボーイはその噴水のそばのベンチに腰掛け、ぼんやりと月を
見ていた・・・。

「お母様に魂を抜かれちゃった? うふふっ!」
部屋着の白いドレスをまとったアリシアが、いつの間にかボーイ
の背に立っていた。金色の長い髪・・・ブルーアイ・・・小悪魔そ
のものの美女・・・それがアリシアという娘だった。
15歳のあどけなさの中に時折ゾッとする妖艶な笑みが混ざる。
あのイライザの娘らしいとボーイは思った。
「座っていいかしら?」
「はい、どうぞ」
ボーイはアリシアにベンチを譲り、すぐそばの芝生の床に片膝
をついていた。
「あなたがはじめてよ」
「はい?」
「私のお婿さん候補なんですってね、聞かされたわ、それはや
さしい男性だって・・・滅多にいない男性だって・・・」
「はじめて? 私が?」
「そうよ。お母様は美人ですからいろいろ言われているようで
すけど、少なくともこの家に男の人を入れるのははじめてなん
です。ろくな男がいないって嘆いてばかりで・・・ふふふ・・・」

月を見上げるアリシアの横顔が・・・なんて美しい・・・天使のよう
だとボーイは思った。

「でもね、グラント」
「はい、お嬢様?」
「お母様はあなたが好きよ。あなたが来てからお母様の陰が消
えた。女としての輪郭がはっきりしてきて美しくなって来ている。
ですからねグラント、私とのことの前にお母様を愛してあげて。
お母様も女です。想う女を悲しくさせる男は嫌い。私の夫とな
る人ならばなおのこと、その前にお母様の奴隷となって・・・ね」
「お嬢様・・・」
「返事はいらない。そんなあなたを私は見ている。それだけを
言っておきたくて・・・」
「奥様は・・・」
「なあに?」
「戸惑っておいでです・・・それはきっと」と言いかけたとき、アリ
シアが、月から視線をボーイに投げて、微笑み、言った。
「そうですね・・・ですけどそれはあなた次第よ、男が本気で女
を想うのならば、男としてどうするべきか・・・ふふふ、言うまでも
ありませんわね・・・ふふふ、ではお休みなさい・・・」
ベンチを離れて歩み去るアリシアの姿に、ボーイは、天使とい
うより、ふと現れた女神の姿を重ねていた。

夜が更けて馬車の音がして・・・すぐ隣の部屋にいるのに呼ば
れなかった。そのことが、今夜あったことのすべてを物語って
いるようだった。夜会の日、戻ったイライザは常に何かを抱え
ている・・・そんなことのわからないボーイではなかった。
部屋を出て、間の部屋をひとつ飛ばして、分厚い扉をノックす
る。
「奥様、よろしいですか?」
ほんの少し間を空けて、ドアのすぐ向こう側で声がした。
「今夜はお休み・・・涙を見せたくないんです・・・」
ボーイは、ためらわずドアを引き、ドアの向こうで目を丸くしてい
るイライザの許へと歩み寄った。
イライザはワインレッドのガウンの姿・・・風呂上がりの香しい香り
が漂って、けれどもその目に涙が浮かんでいたのだった。

「ボーイ・・・おまえ・・・」
「そういうときこそ、お心のままに・・・奴隷でいる意味がありませ
ん」
ぽろぽろとイライザの頬から涙が伝い、両手をひろげたイライザ
の胸にボーイは吸い込まれていくのだった。
「それでいいのね・・・」
「はい奥様・・・どうか私を・・・ふふふ」
笑った・・・また、この子は笑ってくれた。
たまらない想いでボーイを抱き締め、耳許にキスをして、吐息
の声でイライザは言った。
「お脱ぎ・・・欲情する想いを見せつけて」
「はい」
「満たしてなんてやるもんですか・・・男はみんな私のお尻に勃
起する・・・許せない・・・辱めることばかりを考えて・・・」
「はい奥様」
「ああボーイ・・・可愛いわ・・・可愛い・・・ああボーイ・・・」

部屋着を脱いで裸になった奴隷の体に、ガウンを脱ぎ去り全
裸となった魔女の裸身が絡みつく。
男女はそのままベッドに崩れた・・・上質なベッドは、軋むことな
く、ふわふわと揺れていた。

翌朝の食卓だった。いつになくほがらかで、そして透き通る母
親の目の色に、アリシアは昨夜のことを察していた。
アリシアのキラキラした2つの眸がボーイに流れ、その様子を察
したのか、イライザの2つの眸も投げかけられた。
「アリシア」
「うん?」
「うふふっ、決めたわ私・・・ここにいるグラントは、母子2人の奴
隷であって2人の夫・・・それでどう? 不公平ではないでしょう。
ふふふ・・・あなたはまだ15ですけど、家の中では決まりはいら
ない。2人で躾ていきましょう」
「ふふふ・・・お母様らしい答えだわ・・・ええ、それで異存はあり
ませんわ・・・うふふっ、しっかりね、旦那様・・・今夜は私とお母
様とで調教よ。そうと決まればギボン家の当主にふさわしい奴
隷となっていただかないと・・・うふふっ!」
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